洋楽を楽しむ記録
・留意事項
いわゆる世俗的な歌であるロックやポップは商売の手下であり俗悪だから聞かないのが正しい人間の在り方という意見をわたしは採用していない。民俗というのは一般人の生活の集合体から形成されるからである。ひとの気持ちや考えを知るに詩や歌は適切だ。
・2022年10月分
The Fall - Totally Wired (Mark E. Smith)
英語版ウィキには「Smith wanted to name the group "The Outsiders", but Friel came up with the name "The Fall" after a 1956 novel by Albert Camus.」とあり、スミスは最初ちがう名前「ジ・アウトサイダーズ」にしたかったようだ。
「そんな彼らにはカルトを好む献身的なフォロワーが多数いた」「最初はヘヴィ・メタル・バンドのヴォーカルを目指していたが、AllMusicによると、地元のバンドに「お前は歌がヘタだ」と言われて挫折。バンドのオリジナル・メンバーが勢揃いするまで、スミスは事務員や港湾労働者をしながら生計を立てていた。」
「音楽の催眠術師や喚き散らす狂人という側面を持ったスミスはUKポストパンク界の中でも非凡な存在で知られていた。彼のマンチェスター訛り、ドライなウィット、卓越した言葉遊びはフォールの音楽を成す重要な要素だった。彼の音楽はペイヴメント、ソニック・ユースといったバンドの他、2000年代に盛り上がりを見せたニューヨークのダンス・パンク・シーンに多大な影響を与えた。」
引用(『追悼マーク・E・スミス、その軌跡をザ・フォールの10曲とともに振り返る』Kory Grow |RollingStone 2018/01/27)
wiredには「興奮した、覚醒した、薬漬けの」といった意味があるようである。
Fat White Family - When I leave, where you call home?
家を出るときどこをホームと呼ぶか。例えばそこが嫌で出るとき、新しい家をそう呼ぶのか、それとも、前に居たところをそう呼ぶのか。ホームとは何なのだろう。
『彼らには、アウトサイダー、放蕩者、変人、ホームレス、元ドラッグ中毒者などなど……いかにもロックなエピソードがすでに多くある。それはいまどきオールドスクールでレトロ風味の伝説なのか、それとも、時代に風穴を開けることができるポテンシャルを意味しているのか。なにかと風紀委員化する日本という国にはとてもおさまりそうにない。が、こんな連中の音楽に、イギリスが世界にほこる『ガーディアン』をはじめ、あるいは本国の音楽メディアはかねてより共感と期待を寄せている。』
https://www.ele-king.net/interviews/006839/
Dua Lipa - Fever
胸が熱くなるだけじゃなく、頭まで痛くなっちゃうの。そんな時代はたしかにレトロかもしれない。いまや恋愛への価値観は非常に変わってしまったと言えるのだろうが、意外にも従来の価値観に縛られて苦しんでいるひとは多いかもしれない。
・2022年5月分
最初からクルマに入っていつも聞く。アリアナ・グランデのOne Last Time。そう、完璧なわたしなんかじゃまったくないけど、こころから温もりがほしいと求めるひとが美しい。久しぶりで洋楽の歌詞に感想を書いた。
・2022年7月分
The Nerves - When You Find Out
「きみがぼくはそのひとだってことを見つけるとき、そのとき、そのときにだよ」これ口説き文句なのかなんなのか。
・2022年3月分
Aaron Kellim- Where Are We Going
自分にとって大事なことは何なのか。いつか取り戻せることはないほどに時間を使い果たしてしまった。ぼくらに必要なのは思い出だ。さあどこへ行こう。
Shake It Off - Taylor Swift
頭が空っぽの女子に見られているけれども、本質を捉えている。ひとはしたいことをするんだから、どうでもいいことどうでもいいきれいさっぱりで行こうということ。
Ke$ha - Die Young
このひとがだれのものだろうが最高の夜を過ごそう。そんな勢いある若いころの主人公は自分が生きていられる最後の夜のように踊っていたい。まさに向こう見ず。
Macklemore ft. Kesha - Good Old Days
あのとき無謀だった夜を忘れないでいる。すでに素晴らしい思い出になり恋しくなっていること間違いない。オーバー40の感覚と言えよう。いまの若いひとたちはタバコどころかビールまたは酒すら飲まないというから。
The Beatles - "HELP"
それなりに年をとった今では昔よりも自信がなくなってきて、そばにいてくれるだけで元気が出ることに気づいたんだ、なんていうショートストーリー。
"I Still Haven’t Found What I’m Looking For" - U2
「探し物はまだ見つからない」
いかんともしがたい罪深き自分を人生の旅へと解放してくれるのは神々への善良なる祈りであることは古今東西おなじなのかもしれない。何かを探し続けていながら。
"The Pretender" - Foo Fighters
自分のなかに多かれ少なかれ巣食いがちな虚飾や偽善による振りをしているという秘密のこと。そういうものが言い訳をさせてしまい、けっきょくは自分自身を苦しめている。誰なのか。決して降参しないぞ。こうした一般的な解釈もありえるだろうが、治者と被治者が同一のとき「政治家は国民自身」の図式と見ても良いのかもしれない。
Far Away - Libera
どんなときでもそばにいてくれる。支えてくれる。引き上げてくれる。そういうなにかがあったら、とても幸せであろう。
The Rainbow Connection - The Carpenters
虹は見えてるけど幻想だと教わるわ。でもわたしは信じている。夜空を見上げるとき、みんな魔法にかかってることを。あの橋がかかるときを。
Let It Be - Beatles
When I find myself in times of trouble
苦難の時、聞こえるのはあの言葉だ。レット・イット・ビー。なすがまま。あるがまま。マリア様。天に任せるってこと。音楽を奏でよう。
Take Me Somewhere Nice - Mogwai
いま生きてないひとたちこそが真実を語っていると思えるのは、いまがまるで嘘で塗り固められていくだけの世界に見えるからか。そんなとき、もしグラスゴーにUFOが本当に来るなら、君はどう思うんだい。
The Hell Song - SUM41
Everybody's got their problems.
いつの間にかひとは人生とやらに収まっていく。なかなか耐えられるもんじゃないけど、傍観するのが嫌いなのは僕だけじゃないらしい。地獄という場所に居ることの意味に、さっき、気づいた。
Still Waiting - SUM41
この世界で憎しみが止むのを主人公は待っている。だがそうなりそうな理由も希望も見当たらない。そんなときひとはどうするのか。彼らの答えは叫びだ。
・2022年2月分
"By the way" - Red Hot Chili Peppers
"By the way I tried to say
I’d be there, waiting for
Dani the girl
Is singing songs to me
Beneath the marquee, overload"
「ところで言おうと思ってたんだ。ぼくはそこにいるだろうってことを。ダニーっておんなのこが劇場のひさしの下でぼくに歌ってくれるからさ」
歌詞は退廃的な社会を描いているのかもしれない。どんな社会でも嬉しいことなのだろう。歌ってもらえるというのは。
Planet Telex - Radiohead
"Where do we go from here?
The words are coming out all weird
Where are you now?"
「僕らはどこへ向かうのか。
言葉がまったくおかしくなっている
君たちはいまどこにいるの。」
そのとおりだ。プラネット・テレックス。この曲ほどロック好きを魅了した曲も少なかろう。ぼくらはどこへ行くのか。何を言っているのやらしっちゃかめっちゃか。みんな今どこにいるの。こころの地図上で、どこにいるの。まさに現代。
"That it's better to have loved, yeah, it's better to have loved
As I drove, there was a chill in the breeze"
「愛してるほうがいい、そう、愛してるほうがいい。
車を走らせ、冷たい風に吹かれた。」
二人だけのモーテルでの思い出。ちっぽけなもの。でも、大事にしてるもの。大切にしてるもの。ひとにはそういうものごとがある。なにが正しいかということよりも、ただひとにはときどき、ふつうには理解困難なことが起きていて、そういう生活もまた日常の中の一部なのである。
"Beside yourself if radio's gonna stay"
「なにも得なかった男がいるぜ
でもこの胸に残ってるんだ、愛しい君が
そう、もし君がぼくを置いていくというのなら
ベイベー、もう一度だけ愛しておくれよ」
あるあるだな。オトコのほうがこういうことは考えるものかもしれない。どっこどこセンチメンタルで酔っぱらっちゃう感じ。ブライアン・セッツァーなら何でも許しちゃうナオンがいっぱいいそうである。日本でも大人気。かっこよし。
Wonderwall - Oasis
「行くべき道はいつも険しい。」
(All the roads we have to walk are winding.)
そうだな。そうだよ。ああ、そうだ。わかりきったことを歌いたいときがある。それが癒しの機会にもなれば勇気を奮い立たせる機会にもなりえる。デニムを履きたくなるのはきっと偶然じゃない。君はぼくの支えなんだ、ヤー・マイ・ワンダアー・ウォーオオール。
Hung up - Madonna
"Time goes by so slowly for those who wait
No time to hesitate
Those who run seem to have all the fun
I don't know what to do"
「待つ人に時は長し。ためらう暇はない。走り続けるひとは面白そうだ。わたしはどうすべきか。」
まるで今の世界そのものである。世界は高速で進んでいく。混迷を深めていく。それでわたしは何を待っているのか。良くなることをただ待っているのか。何かに集中したいけれど、世の中というのは日々わたしの気分をめちゃくちゃにしてくれる。でも、わたしはどうすべきなのだろう……、というような気分かもしれない。
Girl in the Mirror - Bebe Rexha
「自分の考え方にはうんざり。見えない何かに押し潰されて溺れてる気分。軽んじられたくない。」「いいねとフォロワーばかり数えているひとにうんざり。」
"I'm sick of likes and followers everyone's counting. I'm tired of my thoughts. They weigh me down feels like I'm drowning."
だれしもあるんじゃないかな。それなりに妥当する人口はSNSにいそうである。こういう疲れに素直に共感できる人間でありたい。
「愛してる。愛したいのよ。でも何かがわたしをあなたから引き離す。ジーザスはわたしの美徳、そしてユダはわたしがしがみついている悪魔よ」
"I wanna love you
But something’s pulling me away from you
Jesus is my virtue and
Judas is the demon I cling to"
たぶん人間にとって普遍的なことを直接的に描いて見せている。特にアイメイクが素晴らしく絵画的なように思える。「あんまりお菓子ばかり食べちゃいけないんだけどね」ぐらいのことだと微笑ましいに違いない。
Shiver - Ed Sheeran
"Fill up the engines we can drive real far
Go dancing underneath the stars"
"Like my soul's on fire"
「エンジンを満たせば遠くまで行ける
星空の下で踊りに行こう」
「魂が燃えているように」
わたしからすると恥ずかしくなるような恋愛的な度合いの高い歌詞だった。けど、よく見ると光るものがある。だから人気があるのだろう。みんな、魂は燃えたい。
Don't mess me around - Buzzcocks
"Don't mess me around
Don't you pulling me down
I'll make your insides look
Like a Jackson Pollock painting"
「めっちゃにしないでくれるか
そこに引きずりおろさないでくれ
君の内面を描いてさしあげるよ
しっちゃかめっちゃかにね」
こんな感じ若者にはよくありそう。まるでトレインスポッティングのように。いまなら、さしづめSNSにいるような、なにかと引きずり回してくる系と言って良いのかな、でも、そういうの、たとえSNSでも、やっぱ信頼とか友情的なものあってこそだよな。
Dani California - Red Hot Chili Peppers
"Poppa was a copper and her momma was a hippie In Alabama she would swing a hammer Price you gotta pay when you break the panorama She never knew that there was anything more than poor What in the world, what does your company take me for?"
「パパは警官、ママはヒッピー、(※コッパーとは英国でこの職業のボタンらしい) 彼女はハンマーを振る 君の人生を切り開かねばならない 貧しさ以上のものなんて彼女は考えもしなかった いったい君の連れは僕をどこへ連れていく」
カーリーフォーニアーレストインピース。良い曲だな。なんかの物語だなこれは。主人公は労働か脱獄などした母ちゃんに影響を受けたんだな。秩序への開拓として。たぶん。そう想像する。
Everyone Hurts - Avril Lavigne
"Everybody hurts someday.
Everybody feels this way and it's okay."
「みんないつか傷つくんだ
みんなこんな風に、まあ大丈夫。」
「もし君が疲れたら太陽を見て
方位磁石をもって 君を助けてくれるさ
あなたの足は地について進んでいる
あなたの頭はあなたを進ませるためにある」
「時々全部まちがってる感じだよね
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